技術サポート

FAQ

基礎編

お客様からよくある質問をまとめました。
FAQを参照しても解決しない場合はお問い合わせください。

Q.201 – マイクロスクエアとマイクロハニカムパターンの違いを教えてください。
培養面の微細構造が、四角形であるものがマイクロスクエア(MSパターン)、六角形であるものがマイクロハニカム(MHパターン)です。
細胞の種類によって適したパターンがありますので、お使いになる細胞に適したパターンをお選びください。
Q.202 – 低接着タイプ(低接着プレート)と高接着タイプ(高接着プレート)の違いは何ですか?
高接着プレートは低接着プレートよりも細胞の培養面への接着性を高めた仕様となっています。まずは低接着プレートでスフェロイドが形成される培養条件をご確認いただくことをおすすめします。もし、低接着プレートでスフェロイドが形成されるものの、浮遊してウェル中央に凝集してしまう場合や、培地交換や洗浄操作など溶液の出し入れによりスフェロイドが浮遊する場合に、高接着タイプである高接着プレートをお試しください。ただし、高接着プレートでは細胞の性質によっては細胞同士で接着するよりも細胞と培養面の接着性が強くなり、平面培養となってスフェロイドを形成できなくなる場合があります。
Q.203 – どのように3次元培養条件を検討したらいいですか?
培養条件を検討する流れの1例を紹介します。
  • ・プレート(NCP-LH-96、NCP-LS-96)および培地
    (ATCC推奨の増殖培地、NCM-M、NCM-R)を準備。
  • ・平面培養した細胞を回収した後、各培地に希釈して5,000, 10,000, 20,000および50,000 cell/wellで各種NCPに播種。
  • ・培養開始、1、3、5、7日目に顕微鏡観察・ATP量を測定。
    (必要に応じて培地交換)
  • ・スフェロイドの形状とATP量の経時変化から最適な条件を見出す。
    (着目する分子の発現レベルで最適条件を設定することもできます)
Q.204 – NCMはどんなときに使うといいですか?
培地によりスフェロイド形成能が大きく変わることがございますので、3次元培養の最適化をされる際に、お客様の培地とNCMを比較検討されることを推奨します。
NCMはNCPの性能評価に使っている培地ですので、ご自身の培地で再現性がとれなくなった際にもお使いいただけます。
NCM-Mはミニマムな処方の培地(10%FBS、抗生剤含有基礎培地)です。
NCM-Rはこれにスフェロイド形成を促す添加物を含有しているものです。
Q.205 – いつも使っている培地を使いたいのですが。
普段お使いの培地でもスフェロイドが形成されることもあります。ぜひご検討ください。
Q.206 – NCMのFBSは非働化されていますか。
非働化済みです。
Q.207 – 使用前のNCPのプレインキュベーションはなぜ行うのですか?
培養面の微細加工により培養表面に気泡が生じ易くなっています。
気泡が残るとスフェロイドが形成されないことがありますので、細胞を播種する前に培養面を培地に馴染ませるプレインキュベーションにより気泡の除去をお勧めしています。
参考:Handbook-NCP96
Q.208 – 培養底面に泡が生じてしまいました。どうしたら良いですか?
細胞を播種する前でしたら、プレートを軽くタッピングして気泡を浮かせてください。
それでも気泡が浮かない場合は、プレート用遠心機で300-500xgで1-3分間遠心すると除去できます(プレート遠心機がご利用できない場合は培養面を傷つけないようにマイクロピペッターで培地をピペッティングし、気泡を浮かせて除去してください)。
細胞播種直後でしたら、同様にピペッティングで除去してください。
培養開始から時間が経ち、既に細胞が培養面に接着している場合には、スフェロイドに影響を与えないように気泡を除くのは困難ですので、そのまま培養することをお勧めします。
Q.209 – 培養面をチップで傷つけてしまいました。どうしたら良いですか?
マイクロピペッターのチップで軽く突いた程度の傷であれば問題ありませんが、傷ができてしまった場合には、その部分は正常な3次元培養が不能とになります。
気になるようでしたら、そのウェルを使わないようにしてください。
Q.210 – NCPの表面をコラーゲンでコートして使えますか?
NCPの培養面には微細な網目構造が施されていますので、コラーゲンでコートすることによって網目構造が潰れてしまうおそれがあります。
その場合、スフェロイドが形成されない可能性があります。
Q.211 – どのくらいの培地量が培養に適していますか?
ウェルプレートは100-200 μL/well、24ウェルプレートは600-1200 μL/wellで培養できます。
Q.212 – 播種細胞数はどれくらいがいいでしょうか?
96ウェルプレートでは1×104 cell/well、
24ウェルプレートでは6×104 cell/wellを中心に条件検討することを推奨しています。
形成されるスフェロイドが小さい細胞の場合には、
播種細胞数を増やすと大きなスフェロイドが形成されます。
播種数により、スフェロイド形成速度や増殖曲線が変化しますので、はじめに培養条件の最適化をご検討ください。
Q.213 – 何日くらいでスフェロイドが形成されますか?また、スフェロイドは最長で何日間培養できますか?
多くの細胞は24時間以内に細胞同士の接着が始まり、3?4日後にはっきりとしたスフェロイドが認められます。
それから7日目までスフェロイドが大きく成長し、その後は培地交換により栄養を補給し続ければ一定のスフェロイドの大きさを保った状態で少なくとも1ヶ月は培養が可能です。
Q.214 – コンフルエントになりますか?
平面培養と異なり、いわゆるコンフルエントという概念が当てはまる現象はありません。
ただし、細胞によっては培養開始1週間から10日間でスフェロイドがそれ以上大きくならない現象が見られます。
Q.215 – スフェロイドの大きさはどれくらいですか?
細胞によってスフェロイドのサイズは異なりますが、1週間の培養後に小さいもので平均50 μm程度、大きいもので平均200 μm程度まで成長します。
播種細胞数によっても、形成されるスフェロイドのサイズは異なり、播種細胞数を増やすと短い培養日数で大きなスフェロイドが形成されます。
Q.216 – スフェロイドがまん丸にならないのですが。
細胞同士が強く接着したタイトな丸いスフェロイドを作るものと、細胞間接着の弱いルーズなブドウ状のスフェロイドを作るものなど、細胞の性質によって形成するスフェロイドの形状は異なります。
Q.217 – どのウェルにも同じようなスフェロイドができますか?
ウェル差、プレート差および日間誤差がなく、どのウェルも同じようにスフェロイドが形成されます。
Q.218 – スフェロイドが形成されないのですが、どのような条件検討をすればよいでしょうか?
細胞間接着が不十分な場合は、NCM-Rをご検討ください。
培地中に少量の細胞外マトリクスを添加すると、スフェロイド形成が促進することがあります。
Matrigelであれば、0.5~1%で効果的というデータがございます。
プレート底面への接着が強く、2次元化した細胞が多い場合は、NCM-Mの血清濃度を1?20%の範囲で変更していただくか、NCM-Rをご検討ください。
Q.219 – 以前培養したときはスフェロイドができたのですが、再現できなくなりました。どうしたらよいでしょうか。
継代数が増えると細胞の性質が変わり、スフェロイド形成に影響する場合があります。
また、細胞密度が50~80%程度で培養した細胞をNCPに播種すると、安定してスフェロイドができます。
Q.220 – ウェルの中でスフェロイドが偏って形成されます。どうしたら良いですか?
ウェル内の培地はプレート外周に近いほど早く温められて上昇し培地の対流を生じます。
この対流により外周側へ偏ってスフェロイドが形成されます。
細胞の種類によってはこの現象が特に起こり易い場合があります。
その場合は、細胞を播種する直前まで培地とプレートを37度に温めておくことで改善されます。
Q.221 – 培養している間にスフェロイドが浮いてウェル中心に集まってしまいます。どうしたら良いですか?
スフェロイドは培養面へ強固に接着しているわけではありませんので、細胞を播種した後は顕微鏡観察の際にプレートを揺らさないようにご注意ください。
プレートを軽くタッピングした場合や、プレートが常に機械的な振動を受ける環境では、スフェロイドが浮遊してしまう場合があります。
Q.222 – どのように培地交換したら良いですか?
スフェロイドは培養面へ強固に接着しているわけではありませんので、全量の培地交換はお勧めできません。
半量の培地を静かに除いて、新しい培地を半量静かに加えてください。
新しい培地を添加後はピペッティングすることでスフェロイドが崩れたり、分布が不均一になることがありますのでご注意ください。
Q.223 – 96ウェルプレートではきれいにスフェロイドが形成されたのに、24ウェルプレートではスフェロイドが浮いて大きな塊になってしまいます。どうしたら良いですか?
培養面積が大きくなると培地の揺れが大きくなるため、スフェロイドが浮遊しやすくなります。
浮遊したスフェロイドはスフェロイド同士凝集していびつな形やサイズのスフェロイドになり、ウェル間で差がでます。
改善策として、細胞を播種後はなるべくプレートを動かさないでください。
また、培地を通常より多めに(2 mL/well)使うと、スフェロイドの浮遊が抑えられることがあります。
あるいは、高接着プレートをお使いいただくことで改善することがあります。詳細はお問い合わせください。
Q.224 – スフェロイド形成に影響するDMSOの濃度はどれくらいですか?
HT-29に対しては、0.5%DMSOまでスフェロイドの形成に影響がございません。
影響するDMSO濃度は細胞の種類によりますので、お使いの細胞でご確認してください。
Q.225 – 細胞数はどのように計測できますか?
スフェロイド専用分散液を用いてスフェロイドをシングルセルへ分散し、血球計算板で計測できます。
また、CellTiter-GloによるATPアッセイでも生細胞数の測定が可能です。
Q.226 – 使っていないウェルを、後日別の培養に使うことができますか?
基本的には後日別の培養へ使うことはお勧めしていません。
しかし、プレートを最初に使う際に、滅菌済みのシーリングテープを使わないウェルに貼っておき、次回以降の培養にそのウェルを使うこともできます。
ただし、そのような使い方での無菌性は保証できません。
Q.227 – NCPで培養したスフェロイドの中心の細胞は生きていますか?
EthD-1やCalceinAMで染色し、培養期間が7~10日程度であればスフェロイド中心部の細胞が生存していることを確認しています。